第一回栃木国際映画祭開催にあたって

栃木県大田原市出身の映画監督、渡辺紘文と申します。
弟であり映画音楽家の渡辺雄司と共に、2013年に映画制作集団「大田原愚豚舎」を立ち上げ、ここ大田原を拠点に栃木県を舞台とした映画を数多く制作してまいりました。
そしてこの度、長年の大きな夢であり目標でもあった故郷での映画祭、「栃木国際映画祭」を開催することになりました。

映画監督として10年以上の月日が流れました。
国内外の映画人との交流を通して、いつしか私の心には、故郷である栃木県大田原市で映画祭を開催したいという強い夢が育まれていました。
映画を作り続ける中で、国際的な舞台に身を置く機会も増え、様々な映画祭の熱気や、映画を通じた人々の交流に触れるたび、「いつかこの感動を故郷にも届けたい」という思いは一層募っていきました。
そして昨年、2024年。地元の方々と共に、私自身の映画制作集団「大田原愚豚舎」の作品上映会を開催することができました。
そこで感じたのは、故郷の人々の温かい眼差しと、映画に対する熱い想い。この上映会を通して、長年抱き続けた映画祭開催の夢は、現実味を帯び始めたのです。

この「栃木国際映画祭」という名前には、私たちの願いが込められています。
国内外の素晴らしい映画を上映し、国際的に活躍する映画創作者と地元の市民や映画ファンとの交流の場を創出したい。
子供たちの映画制作ワークショップなどを通じて、次世代を担う国際的な映画創作者を育成したい。
そして、この映画祭を通じて、豊かな自然と文化を持つ栃木県を、国際的な芸術都市として世界に発信していきたい。

それが、私たちがこの映画祭に託した想いです。

今回の映画祭では、国際的に活躍する映画製作者による長編映画の上映と、製作者との交流の機会を設けます。

また、世界各地から応募された才能あふれる作品が集まる国際ショートフィルムコンペティションを実施し、未来の映画作家たちの可能性を広げる場を提供します。

さらに、国際的な視点を持つ次世代の映画人を育成することを目的とした子供映画ワークショップの開催も予定しています。

現在、この夢の実現を目指し、公募で集まってくださった40名を超える実行委員会のメンバーと共に、来る9月の映画祭開催に向けて日々奮闘しています。
映画祭をゼロから作り上げるという初めての経験に、私自身も右も左もわからないことばかりですが、心強い素晴らしいメンバーたちと共に、全力でこの活動に取り組んでいます。

栃木県で映画祭を開催するという大きな夢は、今はもう私一人の夢ではありません。
共に情熱を燃やす仲間たちがいます。

ぜひ、来る9月の「栃木国際映画祭」を楽しみにしていてください。

この映画祭が、皆様にとって忘れられない感動体験となることを願っています。

皆様にお会いできる日を心待ちにしています。

栃木国際映画祭 フェスティバルディレクター・プログラミングディレクター
渡辺紘文

渡辺紘文